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SANAE レインボーへの想いを語る

国際フォーラムのステージでのスナップ

 

 今年1月27、28日に、東京国際フォーラムホールAで行われた「大野雄二80歳記念オフィシャルプロジェクト映画「ルパン三世 カリオスオロの城」シネマコンサート&大野雄二ベスト・ヒット・ライブ」が、幅広い音楽ファンたちの間で話題になっている。5月30日には、DVD/ブルーレイも発売された。大野雄二といえば、「ルパン三世のテーマ」を始め数々の映画スコアでも有名な巨匠だが、彼のライヴにSANAEがサルヴィ・レインボーを引っ提げて参加しているのも注目である。

 

 「全てアンプを通したエレクトリック仕様のレインボーですが、生音っぽさを追求し、機材組み合わせて細部まで調整して音作りしましたので、まるで生音のグランドハープのようにアコースティックに聞こえると思います。違和感ないと思います。レインボーで、様々な機材やアンプを調整して作り込んだので、これだけの大きなホールと舞台でも、ハープがしっかり聞こえる結果が出ました」と、SANAEは語る。

 

 エレクトリックハープは、どこか機械的な印象があり、プラグインすれば画一された音が出て、エフェクター使えばそれなりの効果音が出せる・・・と思いがちだが、ハープがハープである部分は通常のハープと同様、十分な弾きこみと自分の音を苦心して捻り出す過程は一緒であり、それは裏を返せば、エレクトリックによる音の増幅・バリエーションが加わる分、通常のハープより豊かな音領域に迫ることができるということでもある。

 

 SANAEがレインボーに出会ってから何年も年月が経っているが、彼女は今年になってレインボーを購入した。「人に慣れていなくてとても硬直した個体な感じでしたが、数ヶ月経って、徐々に心を許してきてくれている感じがします。中低音から慣らし始めたので、まだ高音はバリケードがあり(笑)、全体的に何を弾くにも、人馴れしていないのと、ご機嫌が悪い時があります。この楽器が出来てから7年も経過しているのに、新生児みたいな感じでしょうか。秋にできればガッツリ使いたいなあというスケジュールがあるので、頑張って弾きこもうと思います」と、レインボーという相棒を得て、その魅力を語るSANAEからは、新しい可能性を見出そうとする頼もしさが窺える。われわれもコロナ禍でライヴに臨む機会も減ったが、元の生活環境が戻ってくれば、エレクトリックハープの新たな魅力に触れることがもっと増えるのではないだろうか。

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