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編集長インタビュー:ヨランダ・コンドナシス
~ハープを地球のために

Photo = Laura Watilo Blake

 

 すでに「ニュース&プロダクツ」のなかでお伝えしたように、アメリカのハーピスト、ヨランダ・コンドナシスが、「地球へ捧げる5分間」(邦訳)という環境問題に関心のある15名の作曲家が競作したオムニバス・アルバムを発表して話題になっている。今やグラミー賞の常連、ハープ教育者としても著名なヨランダに話を聞いてきた。

 

 

ーこの新作は、およそ5分前後のすべての曲作りを作曲家へ依頼し、“地球へ捧げる5分間”と題した、環境問題への深い意志を感じるハープアルバムとして実にユニークです。このアルバムの主題である環境問題に、いつから関心を持ちましたか?

 

ヨランダ(以降YK):約20年間環境問題に取り組んできました。2012年に、芸術を通じて地球保護の意識と行動を促すアース・アット・ハート財団(Earth at Heart)を設立しました。私たちの惑星はとても尊く美しく、生命を与える力を秘めていますが、同時にそれは壊れやすいものでもあります。私は地域だけではなく、グローバル・コミュニティとして団結し、今やるべきことを実行することがいかに緊急であるかを認識する必要があると思ったのです。このアルバムでは、地球の美しさと、地球を守るために私たちが直面している危機、その両方を表現してみました。私はこのプロジェクトの各作曲家に、リスナーの皆様へ音楽という言葉を使って刺激して、より良い地球環境への提言を表現するように頼みました。いま私は彼らの作曲にとても興奮しています。

 

 

ー通常、自己主張とオリジナル曲が単に詰め込まれたアルバムが多いのですが、敢えてひとつの問題に共鳴する作家たちを募り、曲を競作してもらうというのは、とても興味深い趣向ですね。その舞台裏をお聞かせください。

 

 

YK:確かに、本来は異なる芸術的な声が、単一のテーマ内でそれぞれが問題を共有しながら思い入れをぶつかり合うというのは、とても興味深いと思いました。それに私たちの地球がテーマなんて、信じられないほど優れたテーマだと思いませんか。実際、統一されたアイデアの中でそのようなさまざまなアプローチを発見するのは、芸術的創造性の多様さを強調する素晴らしい方法でした。しかも各作曲家は、このプロジェクトに無料で作品を寄付してくれたのです。これにより財団は、ハーピストがそのパフォーマンスで、リスナーもアルバムの音楽に触れることで価値のある地球保護団体への寄付を行う道筋ができたのです。この目的に対する彼ら15人の作曲家の貢献と計り知れない寛大さは、私にとって特別な宝物になりました。

 

ー残念ながらあなたの考えに反して、どうやら私たちは地球へたったの5分間の休息さえ与えていません。たとえば、ウクライナとロシアの間の最近の戦争は、長引くと環境破壊へつながるでしょう。ミュージシャンとしていま何をすべきだと思いますか?

 

YK:確かにそうですね。私たちは、このかわいそうな惑星に休憩を与えることはできないようです。ニュースを見て、ウクライナの戦争によって引き起こされた戦場の煙と破壊を見るたびに、心が痛みます。戦争により紛争地域のCO2排出量は大幅に増加し、宇宙からも戦火の煙が見えるそうですよ。私たちは危機を訴えを止めるわけにはいきません。私は、地球環境の安定や気候危機などに関する問題に何らかの形で協力したい。ハープも自然の恵みからできています。私たち全員が当事者意識を持たないと、深刻な結果を招くことを知る必要があると思います。

 

ーさて、このインタビューでは、あなたの教則本を読んでいる初心者やファンが、ハープをどのように改善できるかについてのコメントを待っています。これまでにハープを上達するために何をしましたか?そして、このアルバムの曲は後に楽譜本になりますか?

 

YK:アルバムの作品のいくつかはセットで入手できるかもしれませんが、ほとんどはライブで初演された後、各作曲家の出版社を通じて個別に入手できるようになります。私のウェブサイトwww.yolandaharp.comには、音楽の演奏に関心のあるすべてのハープ奏者がスコアを購入できる、アルバム「地球への5分間」に捧げられたコーナーがあります。ハープの指導とテクニックに関しては、常に改善しようと努めており、実際このアルバムの曲は私のスキルを新しい方向に押し上げる絶好の機会にもなりました。全レベルのハープ奏者への私の最善のアドバイスは、「ハープのすべてに興味を持ち、新しいアイデアを受け入れ、改善したいと思うことを決してやめないこと」だと思います。あなたが最も好きな音楽を見つけたら、それをたくさん練習して!好きこそものの上手なれで、私たちは興味の持続でかなり上達する傾向があるのですから!

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