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春の特別インタビュー/エマニュエル・セイソン

Photo=Dario Acosta

 

-昨年は大活躍の年でしたが、最も印象的だった活動はなんでしたか?

セイソン:何といっても、時代のマエストロ、グスターヴォ・デュダメル指揮のロサンゼルス管弦楽団で共演したことです。また神童と噂されるクラウス・メケルの指揮下でオスロ・フィルハーモニー管弦楽団でも共演できた。オーケストラとの共演を重ねることで、学べることが多かったと思います。

-新春到来です。今年は、どういう一年になりそうですか?

セイソン:ロベルト・ゴンザレス=モンハスの指揮下で誘われているオーケストラ・プロジェクトがあります。そして春先からは、ハープ界では長年忘れられてきたと思われるボスチャの作品群の再発掘も考えています。


-レコーディングにおいては、「バラード・イン・レッド」という素晴らしい成果をあげました。今年もアルバム、期待できますか?

セイソン:あの作品は、今までしたくもできなかったくらいの膨大な時間をアルバム制作と動画撮影に費やすことができた、とても思い出深いものになりましたね。幾つかの曲は、YouTubeでも観ることができると思います。新しい作品やアプローチだけに、多くの練習も必要だったし。2022年は、友人と室内楽のプロジェクトを録音する方向で動いています。再来年は再びソロ・アルバムと、オーケストラのプロジェクトが控えてます。内容?それは、さすがにまだ秘密ですよ(笑)。


-愛用のライオン&ヒーリーのサルツェード・モデルは、今やあなたの代名詞ともなっているし、また周囲もあなたをサルツェードの後継者と目し始めている点について、どう思われますか?

セイソン:ひとつ否定できないことがあるとすれば、それはカルロス・サルツェードが先見の明を持っていたということ。彼が1927年にライオン&ヒーリーのサルツェード・モデルをヴィトルト・ゴードンと一緒にデザインしたとき、彼がこの美しいアールデコ調に仕上がったハープが、後に観客にも大きなインパクトを与えると推測していたかどうかはわかりませんが、それはまさに天才の発明だったということでしょう。このハープには、強力な音楽的特徴もあります。それは、優れたパワー、独特の見栄え、そして何といっても音の明瞭さです。思うに、響板の特定の形状による影響だろうと考えています。取り分け、私も愛用する赤のサルツェードは、ライオン&ヒーリー社の創立150周年を記念して開発され、深紅という視覚的なインパクトもさらに増し、素晴らしい音楽的品質を備えています。このモデルを通じて、偉大なサルツェードと私を重ね合あわせて見て頂けているとしたらそれは光栄ですし、世界中どこに行っても、このモデルを演奏できることをたいへん嬉しく思っています。


-最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

セイソン:私は、日本がとても恋しいのです! 2018年のリサイタルツアーにおける、全国の熱狂的な日本人の聴衆の素晴らしい思い出が、私を駆り立てるのです。まだまだ新型ウィルスが蔓延していますが、早く日本のファンの皆様や美しいコンサートホールと再会できる日を楽しみにしています。それまでの間は、オンラインで私をフォローしてくださいね!

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