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名盤リワインド② 「グリーンスリーヴス~フルートとハープのための作品集 /リリー・ラスキーヌ、ジャン=ピエール・ランパル」

 

 名盤の条件のひとつに、「色褪せない魅力」がある。いつ聴いても、何か新しい発見があり、甘い記憶を蘇らせてくれる。今やハープとフルートは、相性の良い楽器として定番化している。まるでそれが大昔からあったかのように、魅惑のデュオとされているが、たぶんこのエンゲージを成功に導いたのは、間違いなくリリー・ラスキーヌ(ハープ)とジャン=ピエール・ランパル(フルート)のコンビだ。

 

 ハープとフルート。いずれも楽器のなかでは、おしとやかで優雅で、だけどやる時はやるタイプで、どちらかというと「前に前に、私が私が」というよりは、普段はサイドや後ろに回り大らかに音楽を包み込むような音を奏でる。ところが、これがユニットを組むと、妙なる音の流れとストレスのない天上の調べを醸し出す。個性的で互いに一切邪魔をしないのに輪郭ははっきりした音楽で、聴く方もリラックスできることこの上ない。さらに当代の名手同士が組むと、ここまで高みに来てしまう・・・このアルバムは、それを証明するような作品。導入の「グリーンスリーヴス」から、まるでテンピュールの枕をあてがわれた気分になり、カモミール・ティーを頂いてしばらくソナタの世界に浸り、間奏曲で幕間の音楽とは思えないアクティブな律動に、ともすれば睡魔に襲われる瞬間を未然に防がれ、最後は4つの楽章からなるソナタに耽溺して締める。気分を落ち着かせたいとき、このルーティンに何回世話になっていることか。この最高のコンビネーションでいつでも何度でもカタルシスを得ることができる。まさに、名盤の証である。ちなみに、ラスキーヌとランパルは、日本のわらべ歌集のようなアルバムも出している。和洋折衷のフレンチ・キュイジーヌを食すような感じが新鮮で、こちらもおススメなのだが、まずは典雅でスムーズなこちらのアルバムからが王道だと思う。

 

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